目次
前回のおさらい
前回は「【第1回】NLP(神経言語プログラミング)とは?基本的な考え方や起源について」について考えていきました。
- なんとなく(=プログラム)を分解し理解し変えていく技術
人が無意識にしている行動や思考はプログラム(○○すると⇒✕✕になる)と呼ばれ、
そのプログラムを分解・理解し、変えることで人生の色々なことが解決・達成できる - 人それぞれプログラムが千差万別
人それぞれプログラム(○○すると⇒✕✕になる)は変わる。過去の体験やそのとき沸き起こった感情などにより、同じ状況でも感じ方が人それぞれだし、感じた後にどうするかは人によって違う
という基本原則について学びましたね。
今回はそのプログラム自体の性質について学んでいきましょう。
プログラムは○○によって作られる

何度もの復習となりますが、プログラムとは無意識に自分の中にある「○○すると⇒✕✕になる」というルールのようなものを指します。
人はこのプログラムをたくさん持つことによって、多くのことを処理できたり、自分を守っているのですね。
では、プログラムは何によって作られるのでしょうか?
プログラムは繰り返される自身の体験によって作られていきます。
ここでポイントとなるのは、①繰り返しという概念と②自身の体験という概念です。
同じ体験を繰り返すとプログラムが生成される~パブロフの犬の実験~

みなさんはパブロフの犬という実験を知っていますか?
犬に餌を与える際にベルを鳴らすという経験を繰り返しさせると、
犬はベルが鳴るだけでよだれを垂らすようになる
という条件反射のプログラムが作られるということを示した実験です。
「ベルが鳴る⇒餌が与えられる」という体験を繰り返しさせることによって、「ベルが鳴る⇒餌がもらえると思いよだれがでる」というプログラムが生成されているのです。
人間の場合もパブロフの犬と同じく繰り返しの体験により、プログラムが生成されます。
例えば、通学路や通勤路で私達はGoogleMapや地図を見ながら、道を歩いているでしょうか?
なんとなくボッーっとしていても、学校や会社に着いていませんか?
その一方、初めて行く場所や土地では、GoogleMapや地図を駆使しながら懸命に道を探しませんか?
通学路・通勤路を繰り返し歩くという経験を積み重ねることにより、自分自身の中にプログラムが生成されていくのです。
プログラムが生成される条件①同じ体験を繰り返す
プログラムは同じ体験を繰り返すことにより、作られていくことを心に留めておいてください。
人間は同じ体験を繰り返すことにより、無意識が形成されていき、それらプログラムの集合体が自分を動かしているのです。
感情のインパクトが大きければ大きいほど、少ない回数でプログラムが生成される

プログラムは繰り返しの体験により形成されますが、繰り返しとはどのくらいの回数を指すのでしょうか?
経験には感情のインパクトによる大小があります。自分の人生を振り返ってみても、全ての経験が均等に思い出されるわけではないですよね?
高校最後の部活の試合、甘酸っぱい初キスなどは覚えていますが、彼氏/彼女との36回目のセックスは覚えていないと思います(笑)
このように経験にも、自身にとってどの程度感情にインパクトがあったかによって記憶に残るか否かが決まります。
プログラムの形成=感情のインパクト×回数
よって、このような表すことができます。
つまり、感情のインパクトの強い経験であれば、少ない回数でプログラムが形成され、
感情のインパクトの弱い経験であれば、たくさん経験をしなければプログラムは形成されません。
プログラムが生成される条件②状況に応じて、プログラムが作動する

人間は無意識のプログラムにより、様々な反応や感情が沸き起こり、それが我々に多大な影響を与えていることはこれまで説明してきました。
では、プログラムはどのようにして作動するのでしょうか?
常に同じプログラムが作動し続けているわけではありません。
会議で発言できないプログラムを持った人は、日常生活でも誰ともしゃべらないわけではありません。
ここ一番で緊張してしまうプログラムを持った人は、常に緊張してしまうわけではありません。
プログラムは状況により作動するのです
これは自分に対してはもちろんのこと、他人と接する際にも非常に重要な概念です。
ポイント①○○な人は、あくまで状況に依存したプログラムかもしれない
「あの人は怒りっぽい人だ」
「あの人は人を楽しませるために、ユーモアを持って積極的に話しかけてくれる人だ」
このような印象さえも、状況に依存した一時的なプログラムである可能性は高いです。
例えば、オフィスでは他人にビシバシ厳しい上司だけど、家庭に帰れば奥さんに頭があがらないということはよくあります。
プログラムが状況に左右され作動したり、作動しなかったりということを理解すると、
相手をこういう人だ!と決めつけたりということが無くなります。
我々が自分に対して、他人に対して、「こうだ!」と思う感覚は、多くの場合状況などに応じた一面でしかないのです。
これを理解することは、相手を決めつけずに接する上で重要であり、そのような姿勢は相手を多面的に捉えることにつながり、深い関係性を築く第一歩となります。
ポイント②プログラムが作動する瞬間に気づくことが可能

プログラムが状況に応じて作動するものだと理解することで、どのような状況で作動しているかを冷静に認識することが可能になります。
そして、作動する瞬間、つまりは状況を正確に理解することで、プログラムを書き換えるポイントを把握することが可能となるのです。
これがプログラムが状況によらず不変のものだと勘違いをしていると、変える糸口がいつまでたっても見つからないという状況になります。
怒ったときに人を睨んでしまうプログラムがある場合
例えば、怒ったときに人を睨みつけてしまうプログラムがあるとします。
このプログラムに気づけていれば、周りの方に、
睨みつける瞬間に指摘をしてもらいます。
そうすると、睨みつけた際に指摘されることで、自身が無意識でおこなっていることを意識的に捉えることが可能となり、作動した瞬間に強制的に微笑むなどを繰り返すことで、
睨みつける癖だけでなく怒りやすい性格も変わっていくのです。
プログラムが作動する瞬間の行動を変え続けることで、無意識が意識の範疇になり、変える土台ができあがってくるのです。
無意識では変えられません。
無意識✕⇒意識✕⇒意識○(意識の変容)⇒無意識○
というようなステップで人間は変わっていくのです。
次回はなぜそもそもプログラムを変えるのか(変えたいのか)という原点からNLPを学んでいこうと思います。