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パニック発作/パニック精神障害の症状及び治療・対処・克服する方法について
もしも、これまでにあなたがとんでもない心配事や恐怖心に突如襲われた経験をお持ちであれば、パニック発作を経験しているといえるでしょう。
パニック発作のときには、あなたの心臓はドキドキして、呼吸は困難となり、死んでしまうか気が狂ってしまいそうにも感じるでしょう。
ハニック発作をそのまま治療せず放っておけば、パニック発作がパニック障害となったり、他の問題を引き起こす可能性があります。
パニック発作がパニック障害などに発展すると、日常活動にも大きな影響がでて、支障をきたしてしまう可能性もあります。
ただ、ご安心ください。パニック発作は治すことが出来ますし、救いを求めるのが早ければ早いほど良い結果が得られます。
正しい治療と自助努力によりあなたはパニック発作を軽くしたり取り去ることが出来るし、自信を回復することが出来るし、自分の人生を制御する力を取り戻すことも出来ます。
パニック発作とは何か?
パニック発作は恐怖心の激しい高まりがあるときなどに予期できない形で発生し、心身を衰弱させて体を動かせなくしてしまうという特徴があります。
パニック発作は憂鬱なときなどに発生すると思われがちですが、基本的には事前の兆候や明確なトリガーもない中で起こることもあります。
リラックスしたり眠っている時でさえパニック発作は起こり得るのです。
パニック発作は一度だけ起こりその後収まるという人もいますが、多くの人達がパニック発作が繰り返し起こる経験をしています。
何回も繰り返し起こる再現性のパニック発作を引き起こすのは、ある特定の状況(例:橋を渡る、大勢の人の前で話するなど)であることが多いです。
とりわけある特定の状況において、以前パニック発作を引き起こしたことがあれば、再発の可能性は高くなるということになります。
基本的にパニック発作を何回も誘因する特定の状況は、あなた自身が危機に陥っていたり、逃げることが出来ない状況の中で、体が「抵抗すべきか逃避すべきか」の反応を引き起こすような症状です。
あなたはパニック発作を一度ならず何度も経験するかもしれませんが、それ以外については幸せであり健康的である場合もあります。
つまりパニック発作のみが不健康な症状であり、その他の健康上の悩みはないという状態ですね。
逆にあなたのパニック発作は他の心身障害、例えばパニック障害、社会性恐怖症、うつ病などに起因している場合もあります。
パニック発作は上記のような様々な障害を併発したりすることも少なくありません。
いろいろな原因があるかとは思いますが、安心してください。パニック発作は治療することが出来ます。
ここからはパニック発作に対処するための幾つかの方策や有効な治療方法をご紹介していきます。
パニック発作を抱える方の事例
その方は6か月前に最初のパニック発作を起こしました。彼女が会社のオフィスにいて重要な仕事の発表の準備をしていた時、突然恐怖心の激しい高まりを感じました。
それから部屋がぐるぐる回り始めて彼女は吐き出したくなるような気分になったのです。彼女の全身が震えて息がつげなくなり、心臓が胸から飛び出すようにドキドキし始めました。彼女は机につかまりその症状が治まるのを待ちましたが、そのパニック発作は彼女の心に深い動揺を残す結果になったのです。
彼女は3週間後に再びパニック発作を起こしました。それ以降パニック発作はさらに度々起こるようになりました。彼女にはいつどこで発作に襲われるのか知る由もありませんが、彼女にとってはパニック発作が公の場で起こることが心配となっていました。
心配をしすぎた結果、彼女は仕事の後は友人たちと外出するよりも家に引きこもるようになりました。彼女はパニック発作が起るのではないかという恐怖感にとらわれ、出社することもだんだんと難しくなってしまいました。
パニック発作の兆候と症状
パニック発作の兆候と症状は予期せぬ速さで進みますが、通常のパニック発作は10分以内に発作の頂点に達します。
通常のパニック発作は1時間以上続くことは非常に稀で、大概の場合20分から30分の範囲内です。
また、パニック発作を引き起こす外部の状況は様々です。何処でも何時でもパニック発作は起り得るのです。
- 店で買い物している時
- 大通りなど通りを歩いている時
- 家でソファに座っている時
例えば上記のように普通の日常生活を送っているときにも起こる可能性は十分にあります。
また、パニック発作症状に含まれるのは以下です。
- 息切れ又は過呼吸
- 心臓の動悸又は心拍数の上昇(心臓のドキドキ)
- 胸の痛み又は不快感
- 小刻みな身震い又はより大きな震え
- 窒息感
- 非現実的感情又は周囲からの遊離感
- 発汗
- 吐き気又は胃もたれ
- めまい、すらふら感、又は衰弱感
- 無感覚又は敵愾感情
- 柔らかな又は冷たい目の表情
- 死ぬこと、自制心を失うこと、又は発狂することに対する恐怖
その発作は心臓発作かパニック発作か?
パニック発作の症状の殆どは物理的に体が締め付けられるようなものであり、多くの場合これらの症状は大変深刻なので、心臓発作を起こしているのではないかと思われる方もいらっしゃいます。
実際にパニック発作に悩んでいる大勢の人たちは、命を脅かす医療問題だと思い込んで、その治療を求めて医者や緊急搬送室に繰り返し駆け込みます。
胸の痛み、心拍数の高まり、或いは呼吸困難の症状の考えられる医学的な原因を除外することはとても重要なことですが、その根本的な原因として心理的なパニックであることが見逃されていることが往々にしてあります。
お医者さんに相談をしながら、総合的に判断をしてみてください。
パニック障害の兆候と症状
基本的にはたった一度か二度のパニック発作を経験するだけで、パニック発作がそれ以上に繰り返したり、合併症を併発することはありません。
なので、もしあなたがパニック発作に見舞われたとしても、繰り返し発作になったり、合併症を併発したりなどを心配する必要は殆どありません。
しかし中にはパニック障害を発症する人もいます。
パニック障害の特徴は、
・繰り返し起こるパニック発作
・それに伴う言動面での大きな変化
・またパニック発作が起こるのではないかという心配が止まらないこと
などが特徴です。
パニック障害の診断方法
もしもあなたが下記のような症状になっているならば、パニック障害の可能性があります。
・ある特定状況とは結び付かない頻繁で予期せぬパニック発作を経験している
・次のパニック発作が起こるのではないかと大変心配している
・以前パニックを起こしたことのある場所を避けるという様にパニック発作に関連した経験から以前とは異なる振る舞いをしている
一回ごとのパニック発作はたったの数分間続くだけですが、その経験の影響は長く心に刻み込まれます。
もしも、あなたがパニック障害を起こせば、再発性のあるパニック発作により精神的な被害がもたらされます。
あなたがパニック中に感じた強い恐れと慄きの記憶は、あなたの持つ自信に否定的な影響を与えるますし、あなたの日常生活をかき乱す原因となります。
パニック障害の主な2つの症状
心配事を想像してしまう
落ち着いていると感じる代わりに、そしてパニック発作の合間の普通のあなたと同様にあなたは心配したり緊張したりします。この心配はこれからパニック発作が起こるのではないかという恐れから来るものです。
このように”恐れを恐れる”感情は常に付きまといますしその人の言動を極めて制約してしまいます。
恐怖症の回避
あなたはある状況や環境を回避し始めます。
この回避はあなたが避けようとしている状況が前回のパニック発作を引き起こしたと信じている事に基づく行動です。即ちあなたがパニック発作を起こした場合に逃避が難しかったり助けを求めることが出来ない場所は回避するかもしれません。
極端な場合恐怖回避は広場(臨場)恐怖症になるかもしれません。
恐怖症と不合理な恐れ:認識する事
対処する事、そして症状を克服する事
広場恐怖症を伴うパニック障害
広場恐怖症は従来公共の場所と広場に対する恐怖を伴うものと考えられていました。
しかし現在では広場恐怖症はパニック発作とパニック障害が複雑に絡み合って進行するものであると信じられています。
広場恐怖症は何時でも罹りますが通常は最初の周期的なパニック発作に罹ってから一年以内に発症します。
もしもあなたが広場恐怖症であればあなたは逃避が難しかったり困惑をきたすような場所でパニック発作が起こるのではないかと心配します。あなたは助けを求めることが出来ない場所でパニックにかかってしまうのではないかと心配するようになるかもしれません。
このような恐れからあなたはより多くの状況を避けるようになります。
例えば広場恐怖症を伴うパニック障害の方が回避をしたくなる対象となるのは:
- ショッピングモールとかスポーツ競技場のような人ごみの多い場所
- 自動車、飛行機、地下鉄、そして、その他の交通手段
- 社会的な集まり、レストラン、又はパニック発作を起こすと恥ずかしいような状況
- パニックを引き起こす状況下での物理的な練習運動
- パニックを引き起こし得るある種の食べ物と飲物、例えばアルコール、カフェイン、
といったものです。
広場恐怖症の方は、自宅にいることで安全と感じることが出来る傾向にあります。
パニック発作とパニック障害の原因
パニック発作とパニック障害の正確な原因は不明ですが、パニック発作になりやすさは家族の中で遺伝します。
また、もうひとつあきらかな原因は大学を出て仕事に就く、結婚する、子供を持つという様な大きな人生の変遷と関係あるということです。
愛する人の死、離婚、或いは失職という様な強度のストレスも又パニック発作の引き金となり得ます。
パニック発作は医療的な状況と他の物理的原因で起こることも有り得ます。もしもあなたがパニック症状で悩んでいるなら医者に診てもらい、以下のような可能性を取り除いておくことが重要です。
- 僧帽弁逸脱症、心臓弁の一つが正しく閉じないときに起る軽度の心臓の問題
- 甲状腺機能亢進症(甲状腺が過剰反応する症状)
- 低血糖症(血糖値が低い症状)
- 覚醒剤の使用(アンフェタミン、コカイン、カフェイン)
- 投薬の中断
パニック発作を自分で防ぐヒント
あなたがパニック発作に対して、どんなに無力で防ぎようがないと感じようとも、あなたには自分自身を救うことが出来るいろいろな手立てがあると知っておくことは重要です。
次のような自助の手法があなたがパニックを克服するために大いに役立ちます。
パニックと心配事について学ぶ
単にパニックについて学ぶことだけでもあなたの苦悩を和らげるのに本当に長く効果的となります。
あなたがパニック発作の間に経験したことのある心配事、パニック障害、そして「抵抗か逃避か」反応についてよく研究してください。
そうすれば、あなたがパニックの時に心に抱く慌てふためきと感じ方は普通にある事、そして、あなたが気が狂ってしまうことはない事が解るでしょう。
喫煙、アルコール、及びカフェインは避ける
全てこれらの物は他からの影響を受けやすい人達にパニックう発作を引き起こしかねないものです。
そして又、ダイエットピルとか非睡眠性風邪薬のような覚醒の要素を含む投薬に関しては注意をしてください。
呼吸の仕方を学ぶ
過呼吸はパニック発作の間に起る様々な感覚(例えば、めまい、胸のきつさ)をもたらします。
一方では深呼吸することでパニック発作を和らげることが出来ます。
呼吸を制御することを学ぶことにより、あなたは心配になり始めた時に自分自身を落ち着かせることが出来ます。
そして、もしもあなたが呼吸の仕方を知るならばあなたが心配するまさにその感覚が生ずる可能性を低下させることが出来るのです。
体をほぐす方法を実行する
ヨガ、瞑想、漸進的な筋肉ほぐしを定期的に実行すれば、体のほぐれ、反応ー心配事とパニックに伴うストレス反応の対極にあるもの、が強化されます。
これらの体のほぐし運動は体のほぐれに大変効果あるだけでなく喜びと落ち着きの感情を高めてもくれます。
家族と友人たちと顔を合わせてつながる
様々な心配症状は孤独を感じる時にさらに悪化しますのであなたをいつも世話してくれる人達に救いの手を差し伸ばしてください。
もしもあなたには自分に振り返って看てくれる人がいないと思ったら、新しい人々に出会って協力してもらえる友好関係を築いてください。
定期的に体を動かすこと
体を動かすことは心配事を和らげるのには無理のない方法で、出来るだけ毎日(10分間練習を3回繰り返すことでも十分です)体を動かすようにしてください。
リズムに乗った体操などは腕と足を共に動かす運動なので、散歩、走行、水泳、ダンスと同じように、特に効果的と言えます。
十分な安眠をとること
不十分或いは寝の浅い睡眠は心配事を更に悪化させかねないので、一日7時間から9時間の安眠を取るようにしてください。
良く眠るのに問題ある人には夜の睡眠を良くとる為の方法としてカッコ内に記載した方法がきっと役立ちます。
パニック発作とパニック障害の治療法
認知行動療法
パニック発作、パニック障害、恐怖症に取り組み為の専門的な治療形態の中で最も効果的なのは精神療法です。短期的な治療コースでも役立ちます。
認識と行動に関わる精神療法はあなたのパニック発作を持続させたり、引き金となるような思考類型と行動に焦点を当てるので、あなたが自らの恐怖をより現実的な視点から見るのに役立ちます。
例えば、あなたが車の運転中にパニック発作を起こしたら、現実的に発生するかもしれない最悪の事態とは何でしょうか?
あなたは車を道路脇に止めなければならないかもしれませんが、あなたが自分の車を破損させたり心臓麻痺に成ったりする可能性は低いのです。
本当に壊滅的な事態が起こることはないと一度学べば、パニックの経験も少しづつ怖くなくなるのです。
ここらへんのテクニックはまさしく認知行動療法の分野になっています。
暴露療法
暴露療法という方法もあります。
簡単にいうと、安全で制御された環境の中で、物理的にパニック状態と同じ感覚を経験します。
それによりあなたはより健全な現実対処法を学ぶ機会を得られます。
例えば、あなたがパニック時に過呼吸になるのであれば、過呼吸を意識的にしてみてください。
頭を左右に振ることや或いは呼吸を止めるなどパニック時に経験する物理的な感覚を体験します。
これらの異なる動作はパニックと似通った感覚を呼び越します。
それぞれの意識的な経験によりあなたはこれらの内面的な体感覚に対する恐れを感じることがより少なくなり、パニック発作に対する制御感覚をより強く感じるようになります。
パニック発作とパニック障害の為の投薬
投薬はパニック障害の症状のいくつかを一時的に制御したり軽減するために使用することが出来ます。
しかしそれは問題(の病気)を治療したり解決することにはなりません。
投薬は症状の厳しい場合においては役に立ちますが、治療法をそれだけに求めてはいけません。
投薬が最も効果を発揮するのは他の治療法と組み合わされた時です。例えば精神療法と生活様式の変更であり、これらはパニック障害に根底に潜む原因に対処するものです。
一般的な投薬類:
抗うつ剤:薬が効き始めるのに数週間かかりますのでパニック発作の時だけではなく継続的に取らなければなりません。
ベンゾダイゾダイアゼピン類:これらの薬は抗不安剤であり大変素早く効きます(通常は30分から1時間以内)。それらの薬をパニック発作の間に摂ると症状が急速に軽減します。
しかしベンゾダイアゼピン類:とても常習性が高いので深刻な禁断症状がありますので使用に当たっては注意が必要です。
パニック発作の人を助ける方法
パニック発作を患う友人や愛する人と会うのは怖い事です。
彼らの呼吸は以上に早くなったり、浅くなったりするので彼らは頭がくらくらしたり、目まいになったり、震えが来たり、汗ばむようになったり、吐き気を催したり、更には心臓発作が起こっていると思ったりすることがあります。
彼らの置かれた状況に対するパニック状態の反応がどんなに不合理であるとあなたが思ったとしても、大事なので覚えておいてほしいのは、あなたの愛する人には危険がそこに迫っているように見えるということです。
しかしあなたの愛する人がパニック発作から抜け出るのを助けることにより、あなたは彼らが将来パニック発作の恐れを抱くことが少なくなるようにしてあげることが出来ます。
重要なポイントは以下3点。
あなた自身は沈着冷静であること
冷静であること、理解力のあること、そして独善的でないことがあなたの愛するひとがパニックからより早く快復するのに役立つのです。
相手の呼吸に注目する事
あなたの友人には座るのに適した静かな場所を見つけて彼らにはゆっくりとした深い呼吸を数分間するように指導してください。
なにか体を動かす動作をすること
一緒に手の上げ下げをしたり、足踏みをしてください。
そうすることはあなたの愛する人がストレスを解消するのに役立ちます。
あなたの友人を自分の頭の殻から抜けださせること
そのやり方は身の回りの5つの物に名前をつけてもらうこと、或いは共通の興味についてなだめるようにやさしく話合うこと。
彼らが助けを求めるように元気づけること
パニック発作が収まったあとにあなたの愛する人はあなたの前で発作を起こしたことに困惑した気持ちになります。
彼らを安心させてください。そして彼らの不安に対する助けを求めるよう元気づけてください。
以上でパニック発作についての概要を終わります。参考としながら、状況に応じて行動をしてみてください。ではまた。