【増幅型リーダーシップ内省シート】リーダーシップを振り返り、内省し、変革する

リーダーは自身のリーダーシップを定期的に客観的に振り返り内省するべき

あなたは自身のリーダーシップについて、定期的に客観的に振り返り内省できていますか?

リーダーシップというものは漠然としているため、振り返りにくく、結果としてただ何となく時間が過ぎてしまいがちです。
また、振り返ろうとしても、どのような要素を元に振り返ればいいのかが明確でないため、要素の見落としや非効率的な振り返りが発生しがちです。

今回は前回ご紹介した増幅型リーダーシップの要素に沿って、自身のリーダーシップを振り返り、よりよいリーダーシップにしていくためにはどうすればよいのかを取り扱います。

リーダーシップを内省するまでには3ステップ必要

Step①:自身のリーダーシップを客観的に評価する

まずはじめに自身のリーダーシップを客観的に評価する必要があります。
客観的という言葉は、言うのは簡単ですが、実践するのはとても難しい言葉ですね。

まず客観的に評価する指標が必要です。どのような要素でリーダーシップを評価するかを決めなければなりません。
今回は以前取り扱った増幅型リーダーシップについて、各項目ごとに振り返りをしていきます。

リーダーシップとは「チームのアウトプットを最高にさせる技術」リーダーシップ論は世に溢れかえっていますが、リーダーシップの問いは、結局「チームのアウトプットが最高だったのか否か」に帰結します。そして、多くの人は天才ではないため、1人では仕事ができません。多くの人達と協力し、多くの人達のアウトプットでチームとしてのアウトプットが形成されます。なので、リーダーシップとは、自身が突出した能力を持ち引っ張るのではなく、メンバーのアウトプットを最大化させるための方法論と呼ぶことができるでしょう。今回はメン...

増幅型リーダーの各特徴に対して実践ポイントがあるため、そこに対して4段階評価(特徴①のみ3段階評価)を付けていきましょう。
「4:素晴らしい、3:良い、2:最低限、1:できていない」というイメージで点数を記載していきましょう。

右の欄にはそれぞれの評価軸に対しての振り返りコメントを記載しましょう。

増幅型リーダーの特徴ごとに12点満点中の点数が集計され、自身のリーダーシップにとってどこが足りていないのか、逆に自身のリーダーシップの優れている点はどこかが一目瞭然となります。

ちなみに今回扱うシートについては、Googleスプレッドシートとして共有しておくのでそれぞれの用途別にダウンロードしてお使いください。

増幅型リーダーシップ診断シート

点数の付け方とコメントについて、客観的な評価を得る最も簡単な方法は、周りの人に素直に聞いてみることです。
「自分はここまでリーダーとして勤めてきた。よりよいリーダーを目指して色々なことを考えたり、学んだりしているんだけれど、なかなか客観的に自分を評価するって難しいんだ。ちょっとこの表に沿って点数とコメントを書いてくれないか」
などとリーダーに言われればメンバーは協力し、建設的なフィードバックをくれるかもしれませんね。

また、メンバーからリーダーに対するフィードバックについては、心理的安全性が確保されていればされているほど、適切なフィードバックがされやすく、結果としてリーダーの成長及びリーダーとメンバーの対話を生み出しやすいです。
リーダー自身が成長する際にも心理的安全性は非常に重要な要素となります。

Step②:イシューを定める(さらによくしたい点・改善したい点を決める)

増幅型リーダーの特徴のうち、客観的な評価を把握した次のステップとしては、具体的にどの点を改善orより成長させていくのかを決めることが重要です。

増幅型リーダーシップの各特徴については、かなり抽象的なの基準であるため、
「安心と緊張を共存させる」を改善する点と決めたとしても、
安心をより作り出すべきなのか、緊張状態を作り出すべきなのかはチームの状態によります。

それぞれの実践ポイントの数値をみて、特徴の中でも具体的にどのような点について取り組むべきかをはっきりと決めましょう。

悪い例:”安心と緊張を共存させる”ことを目標とする
⇒漠然としており目標が定まっていないため、アクションにつなげずらい
良い例:”①居場所を作る”ことを目標とする
⇒具体度が増しており、安心と緊張であれば”安心”側である程度の粒度。

このように特徴よりも具体度を落とした、実践ポイントベースで目標を設定することにより、
次のアクションプランに落としやすくなるのです。

Step③:アクションプランを考える

Step②で設定した自身のリーダーシップにおける改善目標に対して、何をすることで改善していくのかを明確にしていきましょう。

例えば”居場所を作る”について改善していくのであれば、
現状として心理的安全性が確保できていない要因を挙げてから、
それぞれの要因に対してどのような改善策を考え実行するのかというアクションプランを練る必要があります。

アクションプランを練ったらそれらをチームに宣言してみましょう。
1ヶ月ごとにアクションプラン及び改善目標がどの程度改善されているかを振り返る上で、
チームメンバーがリーダーの改善目標及びアクションプランを知っていることはかなり重要です。

知っていれば意識して観察することができるため、より客観的に評価してもらえる形になるのです。

リーダーシップの3ステップを踏んで内省を重ねよう

上記3ステップを踏み、”アクションプランの振り返り⇒客観的に評価⇒イシューを定める⇒アクションプランを考える”というサイクルを2ヶ月に1つくらいのペースで回してみましょう。

先ほども述べましたが、リーダーに必要とされる素質は一朝一夕で身につくものではありません。

1年にリーダーシップのメタ的な能力が6個も付けば、あなたはかなりリーダーとして成長していると言ってもよいでしょう。

焦らず丁寧に自身のリーダーシップを振り返ってみてください。

 

寺谷春のプロフィールはこちら    相談もお気軽にどうぞ。