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嫌われる勇気で話題になったアドラー心理学が掲げる精神的に健康なパーソナリティとは?
アドラー心理学では健康的なパーソナリティというものが掲げられています。
「健康的なパーソナリティ」という単語はぱっと聞くとなんだかよくわからない(心理学者は難しい言葉を使いがち)と思いますが、端的にいうと精神的に健康な人ってことです!精神的に健康な人???と言われても・・・・。
それではさっそく精神的に健康な人の特徴をみていきましょう!
健康的なパーソナリティの要件①自己受容性があること
まず、健康的な人間は「自己受容」をしていることが挙げられています!自己受容とは、自己評価が高いであったり、自分のことが好きということです。
逆に自分のことが嫌いであったり、自己嫌悪に陥りがちな場合は、自己受容できていないといえます。
ようは、自分を好きになって!精神的に健康になるには!ってことです。
「じゃ、自己受容すればいいのね。自分をもっと好きになろー!レッツゴー^^」って気軽に自分を好きになれるなら苦労しないわボケー!って感じですよね(笑)
自分を好きになれと言われても、欠点がよく目につく場合はどうしたらよいか?
とはいえいきなり「自分を好きになりましょう。自分を受け入れましょう」と言われても困ります。
最も困ることが多いパターンは、自分の欠点がよく目についてしまい、やっぱり自分はダメじゃないかと自己嫌悪に陥るパターン。
「あー、私こういうところがダメだから・・・」「私っていつもこうだから・・・。ダメだなー私」って思ってしまいがちな人はどのように自分を受け入れていけばよいのでしょうか?
人間である限り不完全な存在であり、何かしらの欠点があります。「こういう欠点があるから、自分を好きになれない」という思考に陥ってしまうのも理解できるのですな^^;
欠点の元を辿れば1つのあなたの性質に辿り着き、それは場面を変えればかけがえのない長所になる。
そういう方々には、「欠点との裏返しは長所だ」ということを理解して欲しい!
もっと丁寧に表現するならば、「欠点の元を辿れば1つのあなただけの特徴的な性質に辿り着き、それは別の場面では長所になる」ということです。
たとえば、自分が気が小さくで臆病だと思うとするならば、慎重で軽率な判断・行動をしないということです。
融通が利かず、堅苦しい人間だと思う方ならば、それは几帳面できっちりしているという解釈ができる!
暗い性格で、人との付き合いが苦手と思う方は、一方で人の気持を察する能力が高く、感受性が強いってことです!
このように欠点だと思っているものでも、実際は長所として多くの活躍をしているのです。
自分自身の長所を探るには、ストレングス・ファインダーをしてみよう。
なになに?「短所を無理やり裏返しにしてみたものの長所とは思えない」だって?
そんなあなたに、デッデデデーン「ストレングスファインダー!!」(ドラ○もん風)
短所の裏返しの長所部分や自分の長所を探りたい方にとっては、ストレングスファインダーがよいでしょう。
もうこれ万能です。強みを見つけたいってなったら奥さんこれこれ!
ストレングスファインダー2.0
ストレングスファインダーとは簡単にいうと自分の強みを見つけるアンケートのようなものです。
アメリカのギャラップ社という組織開発のコンサルティング会社が、S&P500(イメージはアメリカの大企業)の優秀なビジネスマンに対して膨大なヒアリングをし、強みを34個に分類をしました。
30分ほどかかる精密に練られたアンケートを受けることで、これらの強みからあなたの上位5個の強みについて出てくる形となっています。(34個の順位付きで出てくるプランもあり(1万円くらい))
このストレングスファインダーは、世界で1600万人もの方々が受けているテストなので、強みをかなり正確に割り出すことが可能となっております。
ギャラップ社のページでは19ドルで受けることができるので、お手軽に自分の強みを知ることができます。そしてその強みは、あなたの短所の裏返しであったり、長所へと目を向けるきっかけになるのです!
ちなみに本にもストレングスファインダーを受けるためのコードが付いているので、本もおすすめ!(中古はコードが使われてしまってます。絶対新品!)
健康的なパーソナリティの要件②他者を信頼していること
自分が好きであれば、自分が受容できているだけで健康的なパーソナリティかと言われると少し違う。
自分が好きなだけの人間は、ただの自己中心的な人間になりがちで、エゴイズムに陥る可能性が大いにあります。ようは自己受容だけしていても、ただの自己中な人になってしまうのです・・・。
人間である以上、他者との関係性の中で生きていて、他者を信頼できないことは、被害妄想に陥ったりなど様々な問題を引き起こしがちになります。
「みんな自分のことを馬鹿にしているんだ!」であったり、「みんな自分を攻撃するつもりだ」であったり、時々聞きますが、こんな被害妄想にまみれた精神じゃ生きていくのも大変です。
信頼と信用の違い~信用は過去をみて契約すること・信頼は未来を根拠なく信じること~
ここで1つ重要な話をしようと思います。
人を信用するという状態と、人を信頼するという状態の違いです。
似ているようで実は大きく違います。多くの人達が「信頼」だと思っているものは、実際は「信用」に近いことが多いです。
信用は銀行などの金融機関でも使われる言葉です。例えば、私に「信用」があれば、銀行はお金を貸してくれます。銀行でいうところの、信用があるとは「不動産」であったり「勤め先」であったり「貯金」であったりという担保のことを指します。
つまり信用は過去を起点として、何らかの担保を必要とするものです。
それに対して信頼は、未来を起点にして根拠なく信じることを指します。何の担保も必要としません。ただただ、相手を信じることを指します。
時折、母親や教師が「あれだけしてあげたのに、裏切られた」であったり「なんで裏切るようなことをするの」などということがありますが、裏切られるという感情が芽生えた時点でそれは信頼ではなく信用なのです。
「こうあるべき状態やちゃんとしているときだけ、あなたを好きになりますよ」というような条件のついた愛情は信頼ですか?
そうなんですね。悲しいことにそれは信頼ではなく信用なのです。
「他人に対して白紙の小切手を切ることこそが信頼」と覚えておいてください。
余談ですが、私の自己マスタリー(ビジョンのようなもの)は「白紙の小切手を渡せる人間関係を増やす」です。
他者を信頼することを学ぶボードゲーム「HANABI」
この間たまたまボードゲームをやる機会があり、他者を信頼することを感じることのボードゲームに感動したのでここで紹介します!
このHANABIというゲームは、赤・黄色・青・緑・白の5色の花火を、1~5の数字順に並べて完成させていくゲームです。
なんといっても特徴は、全員で協力をして花火を完成させていく協力型ボードゲームという点です。
4枚の手札を自分に見えないように、他人に見えるように持ち、お互いカードのヒントを出し合ったりしながら花火の完成を目指します。
常に自分の手札は見えないため、他のプレイヤーを信頼しきることがとても重要な要素となります。
チームのゴールのために、他者へヒントを出し合い、他者を全面的に信頼してプレイする。まさしく信頼を体現したボードゲームです。
子供のころ、後ろで抑えといてあげるから、後ろに倒れていいよって遊びをしてましたけど、あんな感覚。他人に自分の身を全て任せる。そんな熱い信頼が学べるゲームなんです!
健康的なパーソナリティの要件③所属感と貢献感を持つこと
3番目の要件は所属感です。
家族の中に、職場の中に、サークルの中に、自分の居場所があるという実感・自分の役割があるという実感はとても重要です!
ときには、最も根本的な欲求と考えられることもあります。世の中に属しているということ、みんなの仲間であることが提供されない際に、人間は死を選ぶこともあるのです。
例えばなんですが、いじめられて自殺してしまう子は、学校・クラスという組織から居場所を奪われて(所属感が無くなり)、絶望してしまうことで自殺をしてしまいます。
これは生存欲求と呼ばれる生きていく欲求よりも、所属感を持つことが重要であることを示しています。生き続けることよりも、所属する欲求のほうが優先されてしまうのですね。
所属だけでなく貢献していると感じることも大事!
とはいえ、いつも受動的に所属をしていればいいのかというとそうではありません。
所属している組織の人々がいい人だとしても、自分自身がまったく役に立たない(貢献できていない)人と感じると人は幸せを感じないのです。
何かが起きたときに健康的な人であれば、それはみんなにとってどういうことであるかを考え、不健康な人は自分にとってどうかをまず考えます。
子供にとっても貢献感は重要
大人と同様に子供にとっても貢献感は重要です。貢献感を感じてもらうことで、子供はより積極的に物事に取り組んだりすることが可能となります。
例えば、料理のうまい男性がいるとします。その男性は子供の頃から料理をしてきたとのこと。よくよく聞くと、お母さんが料理が完成する一歩手前で息子を呼び、調味料をかけさせるらしいのです。
「○○が調味料をかけてくれたおかげで、おいしくなった」「とても味覚が鋭くて料理が上手だね」といって褒めることにより、どんどん料理に参加し自分自身で作るようになったそうです。
「あなたはなくてはならない存在で、あなたがいるからとても助かる」というメッセージを伝えることで、子供も大人もより幸福感を感じながら前に進むことができるのです!
まさしく僕なんていう人間は貢献感を持たせられると、すぐに転がされちゃいますね!笑
3つの要件を意識し、健康的なパーソナリティを手に入れよう
以上、自己受容性・他者への信頼・所属感と貢献感こそが精神的に健康な人が持っているものです!
なかなか全てのものをすでに持っているよーという人はいないかもしれませんが、今後このブログで様々な育み方を紹介するので、近づいていきましょー!
ちなみに所属感や貢献感は、「共同体感覚」というさらによくわからない専門用語に置き換えられるのですが、その説明は別の記事でします!
ではでは!また次回!
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