エドワード・ソーンダイクの効果の法則。パブロフの犬にも影響を与えた心理学者

エドワード・ソーンダイク (Edward Thorndike) :効果の法則

エドワード・ソーンダイクによる効果の法則の原理とは

「特定の状況において満足をもたらす反応はその状況で再び起こりやすく、不快をもたらす反応はその状況で再び起こりにくい」

(Gray, 2011, pp 108-109)

エドワード・ソーンダイク(1898)は心理学の行動主義におけるオペラント条件付けの発展を導いた学習理論の研究で有名です。

古典的な条件付けとは、物事を関連付けることにより発生するのに対し、オペラント条件付けとは行動の結果から学習することを言います。

スキナーは行動結果の研究の第一人者ではありませんでした。実際、オペラント条件付けのスキナーの理論はエドワード・ソーンダイクの考えの上に成り立っています。

ソーンダイクは動物(通常は猫)を研究に用いました。彼は古典的な実験を立案し、学習の法則を実験的に試行するためパズルボックス(図1参照)を用いました。

図1:パズルボックス(問題箱)の実験結果の簡易グラフ

彼は1匹の猫をパズルボックスの中に入れ、猫が逃げることにより外に置かれた魚の切れ端にたどり着けるよう促しました。

ソーンダイクは猫をボックスに入れてから逃げるまでどのぐらい時間がかかるかを測りました。猫はさまざまな方法でそのパズルボックスから逃げ出し魚にたどり着きました。

最終的に、猫はそのボックスを開けるレバーに気づきます。逃げ出したときもう一度レバーが付けられ、もう一度逃げるときにかかった時間が記録されました。

実験を繰り返すと猫はレバーを押すことで好ましい結果が起こることを学習し、この行動を身につけてレバーを押すスピードがますます速くなりました。

エドワード・ソーンダイクは喜ばしい結果をもたらす行動ならば繰り返されやすく、喜ばしくない結果をもたらす行動は繰り返されにくいという「効果の法則」を提唱しました。

ソーンダイクに対する評価

ソーンダイクは強度の概念を提案し、これは心理学的原則を学習の分野に応用したはじめての試みでした。

彼の研究はオペラント条件付けのような学習の法則や多くの仮説を導きました。

スキナーはソーンダイクのように動物をボックスに入れて彼らが何を学ぶことができるのかを観察しました。

ソーンダイクとパブロフの学習の仮説はフル(1935)によって統合されました。

ソーンダイクの研究は比較心理学を50年にわたりけん引し、その間数えきれないほどの心理学者に影響を及ぼし、それは現在にまで続いています。

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