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仕事とプライベートを切り分けるほど、幸福度は上昇する
近年、ワークライフバランスが話題になっていますが、今回は仕事とプライベートを切り分けることによって、幸福度はもちろんのこと、生産性やクリエイティビティも高めることができるという研究結果を紹介します。
自宅で業務の電子メールを確認したり返信したり、休暇中に業務用のノートパソコンを持っていく人の週間は、幸福度を下げる傾向にあることをドイツの研究者が示しました。
また、仕事とプライベートが混在している人ほど、趣味やスポーツなどをして気分をリセットする活動に参加する可能性が低いことがわかっています。
たしかに土日のどこかで仕事をする必要があれば、趣味の時間やアウトドアの時間を計画しづらいですよね。
その結果、気分転換の時間がとれずにダラダラと疲れ、幸福度が下がっていくのです。
Wepfer博士は次のように述べています。
仕事をプライベートの中に取り入れてしまう従業員は、気分転換等により回復しないため、疲れていることがわかりました。
また、仕事をプライベートに取り入れる人ほど、気分転換の活動(趣味やスポーツ等)に時間を費やさない傾向にあるため、幸福度をより低下させる要因にもなっています。
※この論文はドイツ語圏の国々1,916人を対象とした研究となっています。
ワークライフバランスを保つことは、生産性やクリエイティビティも向上にも寄与する
また、Wepfer博士は企業側に対しても、従業員が仕事とプライベートを切り分けやすいような工夫が必要だと述べています。
従業員の幸福度を下げない形で、仕事と仕事以外の境界を調整できるような、組織文化や規定を企業側が作り上げる必要がある。
また、企業側からみても、気分転換や休息ができておらず幸福度の低い状態は、生産性とクリエイティビティの低下を招きます。
結局、組織のメンバーが土日にしっかり休んでくれないと、生産性やクリエイティビティを下げてしまうのですな。
従業員のことをしっかりと考え、土日の休息をしっかりとらせてあげることが、生産性やクリエイティビティの担保に繋がり、より仕事が推進する結果を生み出します。
システム思考のサイクルに例えるとこんな感じですな。
システム思考やループ図が分からない方はこちらをぜひ。(個人的に傑作記事です笑)
この記事の理解だけでなく、思考のレベルが一段レベルアップします。
個人側も企業側も仕事とプライベートを切り分ける努力をしよう
昔仕事が忙しいときに、土曜日と日曜日の午前中を仕事をする時間に充てていた時があります。
今思うと、午前中に仕事しなきゃってモードになっているので、心のどこかに常に仕事があって落ち着かないし、1日中の予定もいれることができないため、気分転換も十分にできていませんでした。
その結果、月曜日のリフレッシュ感が無くなり、だらだら仕事をしている感覚に陥っていました。
また、“土日の午前もあるから”という前提がついてしまうと、平日に仕事を終わらせるための工夫がなくなり、生産性が結局落ちてしまいます。
働く側からしても平日の生産性をあげて、土日にしっかりリフレッシュを目指すべきですね。
企業側からしても先ほど示したように、社員が仕事とプライベートを分けられるように組織風土や規定を変更し支援することで、結果的に生産性やクリエイティビティが上がり、業績の向上にもつながります。
長期的な視点を持ち、上に示した正のサイクルを回していくことが、企業人事の腕の見せ所なのではないでしょうか?
僕自身も仕事とプライベートをしっかり分けられるように、これからも意識していこうと思います。