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面接時に好印象を与える態度はなにか
あなたは面接を受けたことはありますか?
バイトの採用、就職や転職など様々な場面で面接がおこなわれます。
面接での振る舞いによって、自分のことが評価され採用・不採用が決まってしまうので、
面接を受ける側はいい印象を残そうと必死ですよね。私自身も就活をしているときはそうでした。
今回は最新の研究により明らかになった面接時に好印象を与えるテクニックをご紹介します。
面接は情熱的に語るほうが評価がいいか、それとも冷静に語ったほうがよいか問題
この実験では、アメリカの企業の従業員300人に対して面接ビデオを見せるという形でおこなわれました。
ビデオでは、情熱的に語る被面接者、冷静な語り口の被面接者、そのどちらでもない被面接者の3タイプのビデオを用意しました。
従業員にそれぞれの被面接者を評価してもらったところ、もっとも好印象を抱いた求職者として「情熱的」な人を選んだのは約半数に上りました。残りの約半数は、「冷静」、「どちらでもない」人を25%ずつ好んだのです。
この結果から考えると、情熱的に自分からアピールする人が面接の結果がいいように考えがちですが、実態はどうなのでしょうというのが今回の論文で述べられておりました。
キャリアカウンセラーや就活アドバイザーは”熱意を持って話せ”というは嘘っぱち(実際は文化による)
上記の研究結果はアメリカの研究となっております。
なので、日本の面接において何が重視されるかというで期待されることはアメリカとは違うかもしれませんね。
ちなみにアメリカ以外の国である香港、中国を例に挙げると、より冷静で落ち着いた人物を好むということもこの研究で明らかになっています。
アメリカよりも熱心に語らない文化である香港や中国は冷静で落ち着いている人がより評価されるということなので、
日本においてはアメリカよりもさらに冷静で落ち着いた人物が評価されやすいと考えてもよいでしょう。
この研究の第一筆者であるベンチャリット博士(Dr Lucy Zhang Bencharit)は次のように述べています。
「アメリカでは、キャリアカウンセラーや就活アドバイザーが求職者に対して、熱意や熱心さを見せて就職活動を行うよう指導することがよくあります。
ここで重要なのは、このアドバイスはアメリカの文化によって形成されたものであり、他の国やあらゆる組織などすべての人にとって正しくて当たり前のことであるとは限らないということです。」
別の文化圏で面接を受けるときには、文化にあった立ち振舞が重要
共著者であるツァイ教授(Professor Jeanne Tsai)によると、人はたいてい「直感に従って」採用を決定するものですが、この「直感」もまた、文化による影響を受けているのだといいます。
「直感とは相手の人格から感じ取ったものと思われていますが、我々のデータによると、採用する彼ら自身のバックグラウンドからも導かれているということが分かります。」
ベンチャリット博士は、文化的適合性を採用基準とすることには疑問を述べていて、
「採用する側がその組織でうまくやっていくためには、文化に適合する必要があると思い込んでいることは問題です。
実際の仕事の場面においては、仮に文化的に情熱的であることが求められていたとしても、冷静で落ち着いている従業員の方が優れた成果を出せる可能性も数多くあるのです。
文化的適合性で採用するということは、あるグループが他より不当なデメリットを被るということです。
移住して間もないような、アメリカの職場での経験が少ない人たちは、面接や採用の過程において最も不利益を被る可能性があります。」
文化による見えない壁「バンブーシーリング」の存在
この研究結果は、アジア系アメリカ人がなぜアメリカの企業で上層部のポジションに就きにくいと感じているのかという疑問に対する回答になり得るのではないでしょうか。
アジア系ではアメリカよりも冷静で落ち着いていることが求められるため、冷静な態度で面接等に望むことが多いのですね。
このような現象は「バンブーシーリング」と呼ばれることがあります。
アジア系の方がアメリカにおいて、文化的な見えない壁により上層部のポジションに就きにくいという現象です。
この研究結果からすると、日本人の僕らがアメリカなど別の文化で仕事や面接をする際には、文化的な状況等を踏まえて振る舞う必要がありますよね。
ツァイ教授は次のようにまとめています。
「我々は、なぜこのバンブーシーリングが存在するのかということに関心を持ってきましたが、アジア系アメリカ人の多くは冷静でいることを評価し、リーダーシップにはその素質が不可欠であるという考え方があるためではないかと考えます。
しかし、情熱的で熱心な人物がリーダーに向いているというのがアメリカでは主流の考え方なのです。
もし多様性のある職場からの利益を享受したいと心から思うのであれば、我々は理想とする採用者に対してどのような感情的素質を求めるのかということについてもっと視野を広げなくてはなりません。」
自分の人生に当てはめてみると、自分の文化や価値観に基づき判断してしまうと、実はいい人を逃してしまうこともあるのかもといったところですね。
常に自分のバイアスも意識しながら行動することが重要そうです。