子供の我慢する力・自制心は近年上昇している~マシュマロ・テストより~

世界で有名な自制のためのマシュマロ・テスト

あなたはマシュマロ・テストという心理学のテストを知っていますか?

様々な本でマシュマロ・テストについて語られているので、知っている人も多いかもしれませんね。

この「マシュマロ・テスト」は、子供たちをマシュマロの前に座らせ、彼らが10分間待つことができれば、他のご褒美を手にすることができると教え、子供たちが我慢できるかを判断するテストです。

子供がマシュマロを食べたくて手に取ろうとする気持ちを、どうにか自制しようとしている状態を実験者側はマジックミラー越しに観察するのです。

一般的にこのマシュマロ・テストに耐えることのできる子供であればあるほど、セルフコントロール能力・自制心が高い傾向にあり、将来に社会的な成功を手にする可能性が高いのです。

つまり、我慢強ければ、将来成功する確率が高いのですね。

まぁ、成功に必要な努力は我慢強くなければなかなかできないことなので、自然な結果ですよね。

1960年代から現代になるにつれて、子供たちの我慢する力は上がっている

60年代や80年代の子供たちに比べ、最近の子供は平均して2分間長くマシュマロを我慢することができることが最新の研究で分かりました。

60年代や80年代に比べて、現在子供たちはよりセルフコントロール力・自制力があるという結果が出たのですね。

この結果を聞いてあなたは違和感を感じませんか?

世の中一般論としては、最近の子供は我慢する力が足りないなどと言われている傾向があります。

よくあるのは「最近のワカモノは・・・」パターンですよね。

そんな一般論とは裏腹に、マシュマロ・テストの結果からは全く反対の傾向が判明したのです。

セルフコントロール力の上昇は、スマートフォンによる認知能力の上昇?!

 

この研究を率いる、ステファニー,M, カールソン教授は次のように言います。

私たちは満足する時代現在を生きています。すべてのものがすぐにスマートフォンやインターネットを通じて利用できるのです。

しかし、それにもかかわらず、今日の子供たちは1960年代、1980年代の子供たちに比べて、目先の欲求を先延ばしにすることができる、ということを、われわれの研究は示唆しています。

この発見は、今日の子供たちは、以前の世代よりも自制に欠けている、という大人が決めてかかっていた思い込みを打ち崩すものです。

スマートフォンやインターネットが便利につながることによって、我慢する能力は下落してしまうと思いがちですが、実際の実験結果は真逆になっています。

ちなみに子供の我慢する力、セルフコントロール力が近年上昇している理由について、カールソン教授は次のように言います。

現代の子どもたちは昔の子供達に比べて幼稚園の入園する子供が増えており、結果として教育の方法がどんどんと変わっています。

また、スマートフォンなどを触ったりしてスクリーンの情報を認識する能力は、目先の欲求を先延ばしにできる能力を伸ばすことに役立っている、とわれわれは考えています。

教授があげている理由は2つですね。

  1. 幼稚園に入園する子どもが増えており、教育水準が年々上がっている
  2. スマートフォンなどスクリーンの情報を認識する能力がセルフコントロールに関連している

1番目は納得できるものの、2つ目の理由はなんだかなぁという感じ。今後の研究が必要な部分かと思います。

 

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