目次
反復学習の対極に位置するインターリービング
新たな研究により、何かを学ぶときに様々な学習を同時に学ぶことが学習効率をあげることが確認されました。
実は心理学的には名前がついていて、インターリービングと言います。
何かというと、反復学習の反対の概念ですね。
反復学習は単一の能力を反復して体に染み込ませますが、
インターリービングは複数の能力を同時に学ぶ学習方法です。
例えば、英単語の勉強をするとします。
英単語の勉強をするときに、英単語帳を手に25個などの単位で繰り返すのが反復復習法。
逆に英語の文章を読みながら、英単語だけでなく、英文法や英作文の技術まで学んでしまおうというのがインターリービングです。
テニスの練習をするのだとすれば、
フォアハンドの練習、バックハンドの練習、という風にセッションを分けるのではなく、
1つのセッションにフォアハンドもバックハンドもサーブも取り入れてしまうのがインターリービングです。
様々な学習を混ぜることによって、効果が発揮される
インターリービングのどこかどのように効果があるのでしょうか?
ここで1つの研究を紹介しましょう。
大学の野球部の選手らが3種類の球種を打つ練習をさせました(例えば、ストレートとカーブとフォーク)
1つ目のグループはストレートはストレートとして練習し、カーブはカーブとして練習など練習を分けました(反復練習)
2つ目のグループは全ての球種を混ぜこぜにして練習をしました(インターリービング)
つまり投手が投げてきた時点でどの球種がくるかは分からない状態にしたのですね。結果として2つ目のインターリービング学習をしたグループが、単一の球種の反復練習をしたグループよりもヒット率が高くなることがわかりました。
このような傾向はバスケットボールのシュート練習にも見られたのです。
インターリービングの効果は恐るべしですね。三種類を同時に学習したほうが、各球種の違いや打つときのコツを理解しやすいようです。
僕自身もよくあるのですが、関連のある他の事柄を学んでいると、学びと学びが結びつきますよね。
心理学を学ぶにしても、アドラー心理学と認知行動療法について同時期に学んでいると、「あー、アドラー的に言っているこの部分は、認知行動療法的にはこういうことだなぁ」というように学びが活性化されます。
最新の研究によると子供の数学の勉強においてもインターリービングは効果を発揮する
最新の研究によると、子供の数学のテストの点数にもインターリービング学習法はかなりの効果を発揮するようです。
1つ目のグループは通常の方法で数学を教えました。
彼らは1つの数学のテクニックを学んだら、学んだあとにすぐに練習をしました。
(足し算を学んだあとに、足し算の練習をすると考えてください)
2つ目のグループは、宿題に別のテクニック(例えば足し算だけでなく引き算も)も含めたものをやらせました。
1日後にテストを実施したところ、インターリービング学習をしたグループは、単一の反復学習をしたグループに比べて25%もパフォーマンスがよかったのです。
これだけでも十分な成果なのですが、もっと驚くべきは1ヶ月後のテストの結果でした。。
1ヶ月後にテストを実施したところ、インターリービング学習をしたグループは、反復練習のグループに比べて76%もパフォーマンスがよかったのです。
同じ学習時間にも関わらず、25%の向上もすごい結果なのですが、時間が経てば経つほどより効果が増すのがインターリービング学習法なのですね。
もちろん、インターリービング学習法は反復学習に比べてきついでしょう。
だって、ただでさえ学ぶことは大変なのに、同時に2つも3つものことに意識を配り学ぶ必要があるのですから。
しかし、そのきつさ以上に見返りはありそうです。
マルチタスクならぬ、マルチ学習法。ぜひとも取り入れていきたいですね。
僕のマルチ学習・取り入れ方(宣言含む)
インターリービングの効果がこれだけわかったのですから、取り入れないわけにはいきません笑
ここに宣言しておきましょう。
【統計学関連】
・統計学
・Excel
・Python or R
上記3つをインターリービング学習していきます。
データサイエンティストなどという職業が一昔前に取り上げられましたが、今後もデータを扱う力はより重要になっていくと考えております。
そのため好奇心、自己研鑽の一環として、統計学を学んでみようかなーと思い、「マンガでわかる統計学」という初心者丸出しの本を買って勉強し始めています。
ここに統計学という学問だけではなく、ExcelやPythonなどの分析するツールもしっかりと学んでいけたらなと思います。
以上、個人的な宣言も含めたインターリービング学習法のご紹介でした。
ぜひ皆様も取り入れてみてください。75%の学習効率の向上は絶大なので取り入れない手はありません。