失業中や転職活動中のストレスにうまく対処するための8つのポイント

目次

仕事を失ったことへのストレスに対処する

仕事を失うことは人生の中で最もストレスを感じる経験の一つです。

怒り、傷付き、意気消沈し、深く悲しみ、未来に不安を感じるのは当然の事と言えます。

雇用喪失と失業ストレスは目的意識や自尊心を揺るがすほどに色々な物事に一挙に影響を与えます。

ストレスに圧倒されそうに思えても、状況をコントロールし、精神状態をメンテナンスし、この困難な時期をより強く、より柔軟に新たな目的意識で乗り越えるためにできることが、数多くあります。

職場でのストレスを解消するための6つのポイント

職場でのストレスに関しては、上記記事をご参照ください。

なぜ失業は、非常にストレスフルなのか

仕事は単に生計を立てるための手段というだけに留まらず、それ以上の意味があります。

仕事は他人からの自分への評価、および自分が自分自身に与える評価に影響します。

仕事は自分自身に創造性、目的、意味を与えてくれます。これが仕事を失うことによって非常にストレスを受け手しまう理由です。

日本ではサラリーマンの定年後に、人生の目的や生きる意味、他人から必要とされることが無くなり、鬱になってしまう人もいますね。

収入を失うこと以上に、仕事を失うことは、目を背けたくなるほど多くのものを失います。

  • 専門家としての誇りを失う
  • 自尊心や自信を失う
  • いつもの習慣を失う
  • 目的ある行動を失う
  • 仕事上の人付き合いを失う
  • 安心感を失う

もしあなたが仕事を失い、どんなに衝撃的であっても希望はあります。

適切なタイミングで、適切な対処テクニックを使うことで、挫折と折り合いを付け、ストレスや不安を和らげ、今後の仕事や職業に向き合っていくことが可能です。

今回の記事では失業したときや、転職活動がうまくいかないときのストレスとうまく付き合う方法をご紹介していきます。

ストレスと病気の関係(心血管疾患、高血圧、胃腸疾患、糖尿病、がん・癌、喘息)

以前書いた記事ですが、ストレスは病の元なので、しっかりとストレスに対処することが大切です。

失業後の喪失感への対処法

何かを失って悲しくなるのは、自然な反応です。当然、仕事を失うことについても同じです。

仕事を失うことで、いらだち、怒り、失望などの、急激な感情の変化が訪れます。

自分自身を調整するための時間を取る 

悲観に暮れている中で、失業している状況に自分を適応させることには時間を必要とします。今の自分の気持ちを受け入れて、気楽に構えましょう。

今の失業状態は、ほんの一時的な挫折だと考えましょう

成功している人たちは、ほとんどと言って良いほど仕事上の挫折を経験していますが、その経験から学び、彼ら自身を奮い立たせ、再チャレンジしています。

長い人生の中で、失業や転職がうまくいかないなどは一時的なものなのです。あとから振り返ると「あんなものか」と思えることもあるでしょう。

今の感情を創造的な方法で表現しましょう

失業について思っていることをノートに書いてみたりしましょう。今の新しい状況について現実が認識できて、物事の見通しが良くなります。

ただただ頭で考えているだけでは、考えが堂々巡りになってしまうこともあります。書き記すことで、整理されることでしょう。

ここからは、失業から起こる悲しみなどの感情やストレスに対処するヒントをご紹介していきます。

①強くあるための援助を求める

恥をかきたくないという思いから、友人や家族から距離を置いてしまうのは自然な反応です。

しかし、自分が失業ストレスに直面しているときの、周りの人の大切さを過小評価しないでください。

周りの人とコミュニケーションをとることはストレスへの自然な解毒剤となります。

話を聞いてくれる人に話すことは、自分の神経を落ち着かせてくれるとても良い方法です。

  • 話をする相手は必ずしも解決方法を示してくれる人物でなくても良く、善悪の判断をせず、集中して自分の話をよく話を聞いてくれる人物であることが望ましいです。
  • 周囲の人に接触することで、気分転換になるだけでなく、自分の状況をよりよくコントロールできるようになります。他にもさらに良い効果があるかもしれません。
  • プライドが邪魔して周囲の人にサポートを求めにくいかもしれませんが、心を開くことは周囲の人の負担にはなりません。
    実は、多くの人は頼りにされることに悪い気はしません。また、頼りにすることで、その人との関係性を強くすることができます。

②失業後の新たな人間関係を築く

社会的なつながりを広げることはどんなときであってもとても良いことです

新たな関係を築くことは、失業のストレスに対処し、新しい仕事を探すために、とても大切な事になり得ます。

新しい友人関係を作る

本好きの集まりや、夕食会や、スポーツチームに参加することで、共通の趣味をもつ新しい知り合いを作りましょう。

facebookやmeetupなどのSNSを使って、自分の趣味にあう集まりに参加してみましょう。

職業訓練校や転職・職業紹介団体に登録する

自分以外の求職者も、励ましてくれたり、サポートしてくれたり、貴重な求人情報を教えてくれたりします。

 周囲に同じ状況の人がいれば、求職中に元気をもらえて、やる気も出てきます。

新たな雇用のネットワーク 

ほとんどの求人情報は一般公開されません。人づてや口コミなどで求人が埋まることが多いです。

ゆるい友人とのつながりが仕事につながる可能性が高いとの研究結果も出ています。

求職に関してネットワークを作ることは難しいように思うかもしれませんが、実はそれほど大変なことではありません。

ボランティア活動

失業状態は自尊心を低くしてしまいますが、目的意識を保つのにボランティア活動が有効です。

そして他人を助けることは気持ちを盛り上げるのにも有効です。

ボランティア活動は職業経験を積んだり、社会的なサポートを得たり、ネットワークを作る機会としても役立ちます。

③家族にもサポートをしてもらう

失業は家族にも影響を及ぼすことなので、問題を一人で背負い込まないようにしましょう。

失業したことを家族に隠しておくことは状況を悪くするだけです。

家族にしっかりと伝えて、家族からサポートしてもらうことで、このような難しい状況でも乗り越えられるようになります。

家族に心を開く

ストレスを和らげるにしても、失業の悲しみに対処するにしても、今こそ自分を心配してくれる人に頼るときです。

家族に求職活動に関わってもらって、どのようにサポートしてほしいかを素直に伝えましょう。

家族はどんな状況でもあなたをサポートしてくれるはずです。

家族の心配がどのようなことであるか聞く

家族はあなたの心配もしてくれますが、生活の安定や将来の心配もしています。

家族から心配ごとや求職活動に関する意見を聞く機会を作りましょう。

家族と楽しむ時間を作る

失業の問題はいったん忘れて、息抜きをして家族と楽しむ時間を作りましょう。

家族とコミュニケーションをしっかりと取ることによって、
家族関係やお互いポジティブな気持ちになることができるでしょう。

失業している親を持つ子供のサポートする

子供は親の失業から多大な影響を受けます。今、何か起こっているか、家族にどのような影響を及ぼすかを子供に知ってもらうことが大切です。

しかし子供に重荷となることは避けるために、失業におけるネガティブな感情や家計の詳細を伝えることは避けましょう。

子供と何でも会話できる状態を保つ

子供は想像力が豊かなので、物事を何でも悪いほうに考えがちです。

失業という状態は思っているよりも大した問題ではないことが多いです。

しっかりと説明し、伝えてあげましょう。

失業が誰の責任でもないということを、子供が理解しているか確かめる

子供は失業についてよく理解できておらず、あなたが何か失敗したせいであると考えることがあります。

場合によっては子供自身が家計を担わなくてはいけないかのように思ってしまうこともあります。

年齢に関係なく、子供にとっては安心できることが大切なので、
失業が止む終えないこと、そして子供自身がなにか頑張る必要はないことを伝えてあげましょう。

子供は、自分も頼もしい存在であると感じたい

家族というチームの一員として子供は、例えば小遣いを我慢したり、高価な買い物を我慢してあきらめたり、放課後にアルバイトするなど家計を助けたいと考えることがあります。

そのような場合は、子供にとって重荷になりすぎない範囲で、子供自身が主体的に家族のために行動してくれることに感謝するとよいでしょう。

④自分の感情と向き合う

怒り、うつ状態、不安は求職市場への復帰を困難にするので、積極的に自分の気持ちに対処し、仮に心配ごとを持っているとしても健康でいることが重要です。

過剰な飲酒や、ジャンクフードの食べすぎなど不健康な習慣は簡単に身に付いてしまうものです。

一時的には気分が紛れるかもしれませんが、長い目で見れば状況はさらに悪くなります。

自分の気持ちを理解して、ネガティブな思考に対抗することは、喪失感に対処し、活動を続けるために有効です。

家族や友人に話すだけでなく、以下のことにも挑戦するとよいかもしれません。

自分の感情を記録する

解雇されて失業状態であることについて、感じているすべてのことを表現してみましょう。

かつての上司に言ったこと、あるいは言いたくても言えなかったことも含めて記録します。

これは、自分の感情を無視され無造作に解雇された場合ほど、より効果的に気持ちをすっきりさせられる方法です。

現実を受け入れる

失業を受け入れるのと同じくらい、失業について自分を責めないようにすることも大切なことです。

解雇が公正ではなかったとしても、解雇を防ぐ手立てがあったのにできなかったとしても、解雇されなければ良い生活が遅れていたとしても、失業にこだわり続けるよりは、いまの状況を受け入れましょう。

現実を受けるのが早ければ早いほど、自分の人生の次のステージに早く進むことができます。

瞑想などをしてマインドフルネス、今に集中することで現実を受け入れる土台を鍛えることもできますので、試してみてください。

自分を責めない

失業したときに、自分自身を批判したり非難したりすることは簡単なことです。

しかし、落ち着くことが大切です。

職を探すのならば自分に自信を持ち続けることが大切です。

「自分は負け犬だ」、「会社が買収されたせいで解雇されたのであって、仕事で失敗したわけではない」などといった頭の中を駆け巡るネガティブな思考に対抗しましょう。

どんなことでも良いので、一筋の光明を見つける

失業から教訓を見つけられれば、より失業は受け入れやすいものとなります。

経験から何を学ぶことができるでしょうか。失業という状況は、自分が人生に何を求めているか、職業上の優先順位を考え直す機会にもなり得ます。

大切なことや人生における優先順位をはっきりさせることは自分自身を強くします。何らかの価値ある発見があるかもしれません。

⑤ストレスを和らげるために運動をする

従来、仕事のせいで運動する時間が充分にとれなかったとすれば、いま、運動をすることが大切です。

運動は強力な抗ストレス剤となります

運動することで、こわばった筋肉を開放し体の緊張を和らげるだけでなく、気分を良くするエンドルフィンが分泌されます。

腰回りをすっきりさせて体系を良くすることもまた自信を高めてくれます。

一日あたり30分以上の運動を心がけましょう。10分単位に分割しても良いです。10分間のウォーキングをすれば2時間は気持ち良く居られます。

リズムを伴った手足を動かす運動は気分を良くして、エネルギーをみなぎらせ、集中力を増し、心身をリラックスさせるのにとても効果的です。

ウォーキング、ランニング、ウェイトトレーニング、水泳、武術、ダンスなどに挑戦してみましょう。

ストレスを最大限に和らげるためには、自分の思考ではなく体がどのように感じるかに意識を集中させます。

地面を踏みしめる足の感覚、呼吸のリズム、肌に当たる風の感覚を意識しましょう。

意識を集中することで瞑想などと同じようにマインドフルネス状態になることができます。

⑥集中力を保つため、適切に食べる

失業のストレスにさらされているとき、食生活についての心配は後回しになってしまいがちです。

しかし、自分の体内に取り込むものは、活動のためのエネルギーやポジティブ思考のための源になります。

砂糖と精製炭水化物を最小限にする

パスタや白パン、フライドポテトのような甘い菓子やおいしいものが食べたくなるかもしれません。

しかし、これらの炭水化物を多く含む食べ物はすぐに気分や活動のためのエネルギーを劣化させる原因となります。

砂糖を1日67g以上摂る男性は、うつ病や不安などのメンタルヘルス問題を抱える確率が23%も上昇する

以前ご紹介したように砂糖は明らかにメンタルに悪影響を及ぼします。

気持ちに悪影響を及ぼす可能性のある食べ物を減らす

カフェインやトランス脂肪酸、科学防腐剤やホルモンを多く含む食べ物はなるべく避けましょう。

精神状態を良くするには、オメガ3脂肪酸を摂取する

 オメガ3脂肪酸を多く含む食材には脂の乗った魚(鮭、ニシン、サバ、アンチョビ、イワシ)、海草、亜麻仁、クルミなどがあります。 

魚(オメガ3脂肪酸)を摂ると頭と睡眠の質が高まる

オメガ3脂肪酸を含む食品は脳や睡眠にもいいので、積極的にとりましょう。

ニコチンを避ける

ストレスを感じている時に喫煙すると気分が落ち着くように感じるかもしれませんが、ニコチンは強力な刺激剤であり、ストレスや不安を弱めるのではなく、強めてしまいます。

飲酒には節度を持つ

アルコールは一時的に不安を和らげるかもしれませんが、過度に飲酒をしてしまうと酔いが覚めるにつれ不安が強大になります。

⑦自分自身を大切にする

失業のストレスは健康に大打撃を与えることがあります。今まで以上に、自分自身を大切にすることが重要です。

生活のバランスを保つ

求職活動で自分をすり減らすことは避けましょう。

趣味を楽しんだり、休んだり、リラックスしたり何でもよいので元気がでることをするための時間を作りましょう。

求職活動は、精神的、感情的、身体的にベストの状態であれば、より効果的です。

充分な睡眠を取る

睡眠は精神状態と生産性に多大な影響をおよぼします。

毎晩7~8時間の睡眠をとりましょう。

求職活動において、充分な睡眠はストレスレベルをコントロールし、集中力を保つのに有効です。

1日8時間の規則正しい睡眠は抗うつ剤の効果を63%も高める

リラクゼーション技術を実践する

 深呼吸や、瞑想、ヨガなどのリラクゼーション技術は強力な抗ストレス剤であり、冷静で楽しい精神状態を保ち、就職の面接を含む挑戦的な状況で落ち着く方法にもなります。

⑧活力を保つためにポジティブ思考を持つ

求職活動に予想よりも時間がかかっている場合は、集中力と陽気さを保つために以下のヒントが役立ちます。

日々の過ごし方をいつも通りこなす

毎日、求職活動に進捗がないという状況では簡単にモチベーションを失いがちです。

求職活動そのものが仕事であると考えて、勤務開始、終了時刻はもとより、運動する時間、人とコミュニケーションを取る時間も含めて仕事であると考えて、タイムテーブルを設定しましょう。

以下のようにすると、より効果的で生産的なスケジュール設定ができるでしょう。参考にしてみてください。

求職計画を作る

最終ゴールまでの道のりを、自分にとって重荷にならず取り組めるような小さい単位に分割します。

一度に全てをこなそうとせず、優先順位を設定します。転職活動がうまくいっていないと感じたら、ゴールの設定を考え直してみましょう。

自分の長所リストを作る

スキル、個人的な特徴、達成したこと、成功体験など自分の好ましい部分のリストを作ります。

参加していたプロジェクトでいかに優れた成果を残したかなども書き入れ、折に触れこのリストを見返します。

人生の「意味」を与える活動を見つける

ほとんどの人は、仕事に人生の意味や目的を見出します。

失業時は、精神状態を保つために仕事以外の方法を見つけることが大切です。

長い間放っておいた趣味や新しい趣味に取り組む、ボランティアや地域のイベントに協力する、何か授業を受けるなどの活動もできます。

クラブやスポーツチームに参加してみるのも良いでしょう。

コントロールできることに焦点を合わせる

雇ってくれそうな会社から電話がかかってくるタイミングや、雇用してくれるかどうかの決定は自分ではコントロールできないことです。

手に負えないことに貴重なエネルギーを浪費するよりも、失業中はたとえば新しいスキルを得たり、満足のいく転職用自己紹介文や履歴書を書いたり、他の求職活動中の仲間と情報共有の場を設けるなど、自分がコントロールできることに焦点を合わせましょう。

以上が失業のストレスに対する対処法でした。いくつかいいと思ったものから試してみると突破口が見つかることが多いです。

ぜひとも試してみてください。

寺谷春のプロフィールはこちら    相談もお気軽にどうぞ。